情報システムの開発工程において、プログラマがプログラムを実装するよりも前の工程(上流工程)の業務を担当するのがシステムエンジニア(SE)です。具体的には、顧客から話を聞き、どのようなシステムを作り上げたいのかを可視化するための要件定義、それに続く基本設計ならびに詳細設計が該当します。現在、プログラマとして活躍されている方でも、将来はシステムエンジニアとして上流工程の業務をしたいと考える方もいらっしゃるのではないかと思います。 そんなシステムエンジニアを目指している方やシステムエンジニアに興味をお持ちの方にとって資格の必要性と関係する資格についてご紹介します。
システムエンジニアに資格は必要?
システムエンジニアになるにあたっては、特別な資格は必要ありません。
免許制の職業ではないので、資格を持っていなくても、システムエンジニアになることは可能です。
エンジニア向けにはさまざまな資格が存在します。そういった資格を全く保有していないシステムエンジニアもいます。
ただ、資格を取得することによって、スキルの証明となるような一定レベル以上の知識があるということを示せたり、勤勉な姿勢や学習意欲を評価されたり転職に有利な資格があります。
システムエンジニアにとっての業務との関係性と、メリットについてご紹介します。
免許制の職業ではないので、資格を持っていなくても、システムエンジニアになることは可能です。
エンジニア向けにはさまざまな資格が存在します。そういった資格を全く保有していないシステムエンジニアもいます。
ただ、資格を取得することによって、スキルの証明となるような一定レベル以上の知識があるということを示せたり、勤勉な姿勢や学習意欲を評価されたり転職に有利な資格があります。
システムエンジニアにとっての業務との関係性と、メリットについてご紹介します。
資格取得のメリット
就職や転職に活かせる、キャリアアップや独立にも有効
実務に活かせるかどうかはさておき、自分の実力が一定以上であるということ示してくれる証明書です。また、資格を取得することでシステムエンジニアになるために努力してきたことをアピールできます。資格がある人とない人とではどちらを選びますか?実力や人柄等はとても重要です。しかし、それは時間をかけないとすぐに判断できるものではありません。多くの人が、資格がある人を選ぶと思います。ライバルに差をつける大きな要因にもあります。
資格手当や報奨金がもらえる
会社によって制度はまちまちですが、資格を取得すると報奨金がもらえたり、資格手当がもらえたりします。また、昇進のために一定以上の資格が必要な場合もあります。これは、会社が取得を推奨する資格を取ることが前提です。
一定の資格をとっている社員がどれだけいるか?というのが、会社の売りになることがあるからです。
また企業によっては、業務に直接関係がなくても手当が与えられる場合があります。難易度の高い資格ほど資格手当や報奨金の支給額は高くなる傾向があります。
一定の資格をとっている社員がどれだけいるか?というのが、会社の売りになることがあるからです。
また企業によっては、業務に直接関係がなくても手当が与えられる場合があります。難易度の高い資格ほど資格手当や報奨金の支給額は高くなる傾向があります。
知識を得ることができる
資格取得のためには基礎からみっちり勉強することが必要になります。
現場での学びはどのような職種においても有益であり有用なものです。ただ、実際に発生した事案に依存するので、どうしても知識に偏りが生じます。
実力のあるシステムエンジニアであっても、勉強をすることで、「え!?これってそういうことなの!?」という事実を知るということも多くあります。
現場の経験だけでは知りえない知識が身につき、自分が持っている知識を体系立ててみれるようになったりするでしょう。
現場での学びはどのような職種においても有益であり有用なものです。ただ、実際に発生した事案に依存するので、どうしても知識に偏りが生じます。
実力のあるシステムエンジニアであっても、勉強をすることで、「え!?これってそういうことなの!?」という事実を知るということも多くあります。
現場の経験だけでは知りえない知識が身につき、自分が持っている知識を体系立ててみれるようになったりするでしょう。
お客様の安心材料やアピールになる
エンジニア系の資格を持つことで客観的に評価されやすく、自分が持っているスキルを証明できます。資格は、ある一定の知識を持っているということを証明するものでもあります。
実際に働く上で顧客企業へのアピールになることがあります。お客様になる人たちは、本当にこの人に任せても大丈夫かな、という不安を持っている人は少なからずいるでしょう。「客観的にこういう資格があるのでちゃんと知識があるんですよ」とアピールできるとお客様への安心につながります。そのため、資格を持っていることで信頼度がアップして商談が有利に進む場合があるでしょう。
実際に働く上で顧客企業へのアピールになることがあります。お客様になる人たちは、本当にこの人に任せても大丈夫かな、という不安を持っている人は少なからずいるでしょう。「客観的にこういう資格があるのでちゃんと知識があるんですよ」とアピールできるとお客様への安心につながります。そのため、資格を持っていることで信頼度がアップして商談が有利に進む場合があるでしょう。
資格の分類
IT系の資格には、大きく分けて、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が主催する国家資格と、IT関連の機器やサービスを提供している民間企業が認定するベンダー資格(企業が実施する自社製品の知識・技能を問う資格)のいずれかに分類されます。
国家資格
国家資格は国が認めている資格です。比較的、一般的・汎用的な内容の試験になり、経済産業省が認定する国家試験「情報処理技術者試験」が挙げられます。
情報処理技術者試験には初心者向けの「基本情報技術者試験(FE)」、中級者向けの「応用情報技術者試験(AP)」、上級者向けの「システムアーキテクト試験(SA)」などがあります。何と言っても国によってお墨付きを得られるという点で、大きなアドバンテージがあります。
情報処理技術者試験には初心者向けの「基本情報技術者試験(FE)」、中級者向けの「応用情報技術者試験(AP)」、上級者向けの「システムアーキテクト試験(SA)」などがあります。何と言っても国によってお墨付きを得られるという点で、大きなアドバンテージがあります。
ベンダー資格
特定の企業や団体が認める資格で、より製品やサービスに特化した資格となります。マイクロソフトやオラクルなど、パソコンなどの製品を販売するベンダー企業が独自に認定している資格試験のことです。
ある特定の分野に特化したニッチなものも多いので、実際に業務の中で必要であるならば取得できればいいでしょう。取得を推奨されるケースも多くあります。お客様に製品やサービスを提案する際に取得していると、信頼感の向上にもつながります。
ある特定の分野に特化したニッチなものも多いので、実際に業務の中で必要であるならば取得できればいいでしょう。取得を推奨されるケースも多くあります。お客様に製品やサービスを提案する際に取得していると、信頼感の向上にもつながります。
おすすめの資格
「国家資格のほうがベンダー資格よりも良さそう」と思いがちですが、IT系資格の場合は必ずしもそうとはいえません。但し、やはり社会的に国家資格というのは大きな意味を持ちます。
また、どんな資格でも共通の事ですが、資格を取得する事ですぐさまそれが仕事に役立つ訳ではありません。経験年数やレベル、キャリアパスにより、目指すべき資格は分かれます。
自身がどんなエンジニアを目指すのかに合わせて資格の選択をすることが必要になります。また弱点を強化する目的で資格を取得することも、よい方法のひとつです。
また、どんな資格でも共通の事ですが、資格を取得する事ですぐさまそれが仕事に役立つ訳ではありません。経験年数やレベル、キャリアパスにより、目指すべき資格は分かれます。
自身がどんなエンジニアを目指すのかに合わせて資格の選択をすることが必要になります。また弱点を強化する目的で資格を取得することも、よい方法のひとつです。
【国家資格】
IT関係の国家資格は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA:Information-technology Promotion Agency, Japan)という機関が管理・運営・認定を行なっています。
広く汎用的な知識を問う傾向にあり、システムエンジニアの仕事の概要をつかみたい方や、明確な進路を決めていない方がまず取得を目指すものとしておすすめです。とは言え、色々あってどれを取得すればいいか迷ってしまいます。
難易度では、初心者、中級者、上級者向けに3種類に分ける事ができます。
それぞれ、初心者には基本情報技術者試験や情報技術者試験など、中級者には応用情報技術者やデータベーススペシャリスト試験など、上級者にはプロジェクトマネージャ試験やシステムアーキテクト試験などがあります。
広く汎用的な知識を問う傾向にあり、システムエンジニアの仕事の概要をつかみたい方や、明確な進路を決めていない方がまず取得を目指すものとしておすすめです。とは言え、色々あってどれを取得すればいいか迷ってしまいます。
難易度では、初心者、中級者、上級者向けに3種類に分ける事ができます。
それぞれ、初心者には基本情報技術者試験や情報技術者試験など、中級者には応用情報技術者やデータベーススペシャリスト試験など、上級者にはプロジェクトマネージャ試験やシステムアーキテクト試験などがあります。
-基本情報技術者試験
ITエンジニアに求められる基礎的なスキルを認定する資格であり、ITエンジニアやIT業界で働く人、これからITエンジニアを目指す人を対象とした国家資格です。
この試験では技術面はもちろん、プロジェクトマネジメントや経営戦略、法務、企業活動まで、システム開発に関する幅広い分野のスキルが試されます。
プログラミング言語に関する問題があることも特徴のひとつです。合格すると、設計や構築、運用の業務を遂行できるスキルが認定されます。
この試験では技術面はもちろん、プロジェクトマネジメントや経営戦略、法務、企業活動まで、システム開発に関する幅広い分野のスキルが試されます。
プログラミング言語に関する問題があることも特徴のひとつです。合格すると、設計や構築、運用の業務を遂行できるスキルが認定されます。
-応用情報技術者試験
ITエンジニアとしての応用的な知識・スキルがあることを証明する国家資格です。
基本情報技術者試験より難易度が上がっており、より専門的な知識を習得することができます。IT全般の知識を網羅的に問われるところは基本情報技術者試験と同じです。
プロジェクトマネージャの下で予算・工程・品質の管理を求められたり、技術的問題を解決したりと、自主的な行動も求められます。指示のもとで進めるのではなく自分で提案していける力はある程度の知識がないと得られないものです。
プログラマからシステムエンジニアにステップアップしたい、また、基本情報技術者試験に合格し、さらなるスキルアップを目指すエンジニアにおすすめです。
基本情報技術者試験より難易度が上がっており、より専門的な知識を習得することができます。IT全般の知識を網羅的に問われるところは基本情報技術者試験と同じです。
プロジェクトマネージャの下で予算・工程・品質の管理を求められたり、技術的問題を解決したりと、自主的な行動も求められます。指示のもとで進めるのではなく自分で提案していける力はある程度の知識がないと得られないものです。
プログラマからシステムエンジニアにステップアップしたい、また、基本情報技術者試験に合格し、さらなるスキルアップを目指すエンジニアにおすすめです。
-システムアーキテクト試験
上級エンジニアを目指す人のおすすめの資格です。
システムエンジニアとして開発の上流工程を主導し、業務知識に基づいて的確な分析、設計や構築を行い、業務ニーズに適した情報システムのグランドデザインを設計ができる知識とスキルがあることを証明されます。
将来的にプロジェクトリーダーとして統括的な立場を目指したい、また既に現場で活躍する上級エンジニアなどに適している資格です。
システムエンジニアとして開発の上流工程を主導し、業務知識に基づいて的確な分析、設計や構築を行い、業務ニーズに適した情報システムのグランドデザインを設計ができる知識とスキルがあることを証明されます。
将来的にプロジェクトリーダーとして統括的な立場を目指したい、また既に現場で活躍する上級エンジニアなどに適している資格です。
-プロジェクトマネージャ
プロジェクト分野の国家資格で、システム開発のプロジェクトを円滑に進行する知識やスキルがあることを証明する国家資格です。プロジェクトマネージャを目指す人を対象としています。
自らの能力だけでなく自分の配下のメンバーも成長させるための能力も問うという、SEの試験の中ではやや異質な立ち位置にあり、資格を取得することで、プロジェクト計画及びプロジェクトマネジメント計画の作成や、必要となる要員や資源を確保し、予算、スケジュール、品質などの計画に基づいてプロジェクトを実行・管理する知識やスキルを有することを証明できます。
自らの能力だけでなく自分の配下のメンバーも成長させるための能力も問うという、SEの試験の中ではやや異質な立ち位置にあり、資格を取得することで、プロジェクト計画及びプロジェクトマネジメント計画の作成や、必要となる要員や資源を確保し、予算、スケジュール、品質などの計画に基づいてプロジェクトを実行・管理する知識やスキルを有することを証明できます。
-データベーススペシャリスト試験
データベースシステムの構築や分析、管理を担うスキルを証明します。最近ではクラウドシステムの普及によって、データベースの構築や管理ができる人材のニーズが高まっています。
IT技術からマネジメント、データベースなど幅広い知識が習得できます。
システムエンジニアとしてデータベースに特化したエンジニアや、インフラ系に関わるシステム構築に携わりたいと考えている方にとってはおすすめの資格です。
IT技術からマネジメント、データベースなど幅広い知識が習得できます。
システムエンジニアとしてデータベースに特化したエンジニアや、インフラ系に関わるシステム構築に携わりたいと考えている方にとってはおすすめの資格です。
【ベンダー資格】
国家資格よりも、はるかに種類が多く、エントリー向けから超一流のスペシャリスト向けまで、難易度についても幅広くなっています。
特定の製品とリンクする資格があり、取得後に有効期限が設けられているものもあります。
IT業界で評価されているということは、資格を選択する基準として、重要な要件です。
特定の製品とリンクする資格があり、取得後に有効期限が設けられているものもあります。
IT業界で評価されているということは、資格を選択する基準として、重要な要件です。
ーORACLE MASTER
オラクル社が自社の製品に関する技術者を認定する資格です。
Oracle Databaseシリーズの技術力がどの程度あるかを評価し認定します。日本国内のみならず、海外でも実施されています。
ブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナの順で難易度が高くなっています。試験は難易度順に受ける必要があり、まずは一番簡単なブロンズから順に試験を受け、合格するごとに上位の資格を受験することができるという仕組みです。
Oracle Databaseシリーズの技術力がどの程度あるかを評価し認定します。日本国内のみならず、海外でも実施されています。
ブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナの順で難易度が高くなっています。試験は難易度順に受ける必要があり、まずは一番簡単なブロンズから順に試験を受け、合格するごとに上位の資格を受験することができるという仕組みです。
-Linux技術者認定試験
Linux技術者としてのスキルを証明するベンダー資格です。日本だけでなく海外でもグローバルに通用する試験です。海外でも仕事をしたいと思っている人におすすめです。
試験には、システム管理やサーバ構築などのスキルを認定するLinuc(リナック)等があります。
資格を取得することで、ネットワークの運用管理の知識やスキルと有していることを証明できます。Linux技術者認定試験のLPICはレベルが3段階あります。
下位レベルの試験から順に受験する必要があり、基礎的な部分からステップアップしていくことができる試験です。
試験には、システム管理やサーバ構築などのスキルを認定するLinuc(リナック)等があります。
資格を取得することで、ネットワークの運用管理の知識やスキルと有していることを証明できます。Linux技術者認定試験のLPICはレベルが3段階あります。
下位レベルの試験から順に受験する必要があり、基礎的な部分からステップアップしていくことができる試験です。
システムエンジニアに必要なこと
コンピュータの前に座ってプログラムを作成するプログラマとは違い、システムエンジニアは人と関わることが多い職種になります。
資格も重要です、しかし、職務を遂行して行くうえで、それ以外にも大切なことがあります。
システムエンジニアの良し悪しは何で決まるのでしょうか? それは、構築したシステムの内容です。
ただ動けばいいというシステム構築をすることは新人でもできます。しかし、汎用性があったり、セキュリティー面に強かったり、効率的であったりと、優れたシステムエンジニアがつくるとお客様のニーズに応えられていたり、要求レベルをこえた満足度の高いシステムができます。それには経験と知識が必要になってきます。
資格も重要です、しかし、職務を遂行して行くうえで、それ以外にも大切なことがあります。
システムエンジニアの良し悪しは何で決まるのでしょうか? それは、構築したシステムの内容です。
ただ動けばいいというシステム構築をすることは新人でもできます。しかし、汎用性があったり、セキュリティー面に強かったり、効率的であったりと、優れたシステムエンジニアがつくるとお客様のニーズに応えられていたり、要求レベルをこえた満足度の高いシステムができます。それには経験と知識が必要になってきます。
まとめ
システムエンジニアになるためには、必ず資格が必要というわけではないということは理解していただけたと思います。システムエンジニアとして仕事をするために資格は必要ないですが、取得することで客観的にスキルを証明できるメリットはとても大きいです。
資格取得のための努力は優秀なシステムエンジニアになるための第一歩です。プロジェクトリーダやプロジェクトマネージャーといった職種へのステップアップ、キャリアアップにもつながることでしょう。
システムエンジニアを志望する人が増えている中で、他者との差別化をはかるためにも資格の取得を目指すことは良いのではないでしょうか。
勉強で得た知識が実務をする上で役立つようになり、自分が携わっている仕事についてより深く理解することに対して役に立つことでしょう。
資格取得することで得た知識はシステムエンジニアとしてのキャリアアップに必ずつながると言えます。
勉強するというのはとても大変なことですが、優秀なシステムエンジニアを目指して、資格取得のチャレンジをして下さい。
資格取得のための努力は優秀なシステムエンジニアになるための第一歩です。プロジェクトリーダやプロジェクトマネージャーといった職種へのステップアップ、キャリアアップにもつながることでしょう。
システムエンジニアを志望する人が増えている中で、他者との差別化をはかるためにも資格の取得を目指すことは良いのではないでしょうか。
勉強で得た知識が実務をする上で役立つようになり、自分が携わっている仕事についてより深く理解することに対して役に立つことでしょう。
資格取得することで得た知識はシステムエンジニアとしてのキャリアアップに必ずつながると言えます。
勉強するというのはとても大変なことですが、優秀なシステムエンジニアを目指して、資格取得のチャレンジをして下さい。